■久保田のこぼれ話のコーナーです。

第一回 高崎晃と私

ギターを弾く久保田氏

めて高崎晃御大の音を聴いたのは、まだギターに何の魅力も感じない十代半ばの若かりし頃。
一本のカセットテープを当時の数少ない友人の一人から拝借した。

そのテープのラベルには、忘れることも出来やしない、とてもインパクトの強い題名が記されていた!そのカセットのタイトルは、「 Live-Loud-Alive その2 」その1がなくて、いきなり「その2 」なのである。

その頃はまだ、CDという便利は物はなくLPだったので、二枚組みのライヴアルバムの二枚目を親切に貸してくれた友人には感謝している。

肝心の内容だが、一曲目からこの世のものとは思えない凄まじい初体験を迎えた。

すでに悟られた方もいると思うが、ヘヴィメタル/ハードロックを初めて聴いた若造にはクエスチョンマークの雨、あられ、嵐になって土砂崩れ!何の音かもわからない!幼少の頃よりピアノの英才教育を受けてきたこの耳をもってしても、弾いてる音階がわからない。ん?待てよ!?唄がないで!?謎はすぐに解けた。

自身のギター人生におけるファーストインパクト!その曲の名は「エクスプローダー」簡単にゆうとただのギターソロ。「HM/HRとはギターだ!」と思うにはそう時間はかからなかった・・・。

こに奇想天外孤独な( 前途多難な )ギター路が始まるに至り、それまで尊敬する音楽家といえば「1.ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン」だったのが高崎晃御大唯一・絶対神になり、いご一年間ラウドネスしか聴かない( 聴けない?) 悲しき日々を送ったのだった。

( 部屋には、中森明菜と御大のポスターが二枚仲良く並んで貼られていた・・・。)

少年はギターを買ってもらってから部屋に引き籠もり、他人との接触を避け、オタク街道一直線で目指せギタリスト!と大いなる野望と明るい未来を胸に抱いたのである。動かぬ小指にムチ打って、一日最低8時間以上弾いて半年が過ぎ、ようやくバンドを始めた。全曲ラウドネスのコピーという想像を絶する選曲に歓喜し、より一層ギターを引き倒す日々が繰り返された。

「我に敵なし!」状態の少年に最初の敵が立ちふさがった・・・。御大からは、それはもう素晴らしいテクニック( 高崎=ライトハンド=タッピング )を学んだ。

でも、大技ばかりで基本が出来ていない少年は、チョーキング・ビブラートというギター芸術至高最大の感情表現を手にする事はなかったのである。悔い改めた少年は、音の揺れに目覚めた時、何でもかんでもとりあえず音を揺らしていた。一心不乱に揺らしていた。

そして、ある日気づいた。「これじゃ、速く弾けない!」と・・・。そこで再びラウドネスのテープを聴き倒す毎日が繰り返されたのだった。

る程度弾ける様になると、次の曲、そのまた次の曲と果敢に挑んで散り、這い上がり、ようやく完コピが出来るようになるまで一年かかった。でもそれは、ニュアンス無視の、音だけコピーの聴き苦しい物でしかなかった。

第二の壁
の誕生である。思い返せば、アップテンポの曲、アグレッシブな曲、ヘヴィーな曲と速い
曲ばかり聴いて、弾いて、譜面とにらめっこしてきた少年には、ソウルがなかったのだった。うまい!速い!凄い!テクニカル!超絶技巧!芸達者!等々・・・。

ありとあらゆる賛辞で埋め尽くされた少年の心は惨めなもので、結果ブルースの弾けないギタリストと成ったのだった。ブルースのあの独特のフレーズ・響き・五つの音で構成されるという決まり事すべてに並々ならぬ拒絶反応を示した少年には、今さらブルースなんて学ぶ気力もなかった。

がしかし、精神力が気力を上まわり、ブルースらしい物が日本にはある!と再び悔い改めたのが「さくらさくら」であり、( 御大も初期〜中期のライヴでギターソロタイム時に披露している。
)
そしてかの「エクスプローダー」でも、右手人差し指でフランジング効果の後の怒涛の下降フレーズがペンタトニックフレーズだと気づいてからは、もう同スケールの反復練習ばかりの日々が続いた。

き飽きしてた夏の暑い日、それはやって来た。まだ日本になじみ少ないスウィープピッキングという荒技の上陸だ!少年が初めて耳にしたのは、プレゼンスの白田氏奏でるロックンロールという曲の前の余興として披露していたフレーズが最初と記憶している。

そして我が心の神、御大も次のアルバムでスウィープピッキングを初披露したのであった・・・。少年の心はときめいた!五弦スウィープ/8往復という大技に、テクニカル・ノックアウトを宣言され、真白な灰に変わろうとする時少年は三度立ち上がった!

れなりにスウィープピッキングもマスターしたつもりの少年にもないものが一つだけあった・・・。右手には高崎モデルのピック。左手にはランダムスター。後ろにあるのはメサ・ブギー。ただオリジナルの曲がなかった・・・。

弾きたい事、やりたい事、表現したい事すべてがラウドネスの曲にあり、オリジナル曲の必要性をまったく感じなかった。言葉を武器としないギター小僧ゆえ不満はまったくなかったのでした。

少年のギター上達への道はまだ始まったばかり・・・。このままでは、ただのギター小僧でしかなかった( 今でもただのギター小僧・・おっさん?や ) 少年にようやく転機がおとずれる。そう、第二の刺客の登場!

(つづく)

〈次回予告!〉
それまで高崎晃御大一筋だった少年の前に立ちはだかる新たな使徒。最後にして最強の王者( 人々は彼の事を王者と呼ぶ。) がフィンガーボードを縦横無尽に駆け巡る・・・!はたして少年は王者を受け入れるのか?それでもまだ御大一筋なのか・・・?阿鼻叫喚のさまを見る少年に未来はあるのか・・・?近日公開予定!第二回にして最終回!!『イングヴェイJ・マルムスティーンと私』いよいよ真打ち登場の覚醒章突入〜!!

Message Top Pageへ戻る ひとつ前のページへ戻る